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2020年04月10日

【新型コロナウイルス関係】休業要請の場合等の休業手当はどうなる?

緊急事態宣言にともない休業要請が国や県から出されたらどうなるのか ご質問が多いので、ここに児玉の見解を書きます。令和2年4月10日

Q 従業員が、国や自治体等公共の要請に応じて会社を休んだ場合  新型コロナウイルスへの感染が確認されない限りは「ノーワーク・ノーペイ」の原則により欠勤扱いとなる。また労働基準法でいう「使用者の責に帰すべき事由」に当たらない(会社側が「会社に来なくていい」と言ったわけではない)ので、会社は休業手当の支払い義務はない。

A 必ずしもそうは言えません。 タイムリーではありますが、 4月7日の厚労大臣の見解です 厚生労働省の加藤勝信大臣は4月7日、記者会見で、緊急事態宣言を受けて、企業が従業員を休業させた場合、「事業者は、直ちに一律に休業手当を支払わなくても良いということにはならない」との見解を述べた。 加藤大臣 労働基準法第26条では、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中の当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなくてはならないという規定があります。この場合の使用者の責に帰すべき事由というものをどう捉えるか、という話だと思います。 これについては、今回の緊急事態宣言がなされる、そのことでそれぞれの特定の都道府県知事から施設の使用の制限等、そういったことが行われた場合にどうなるのか、ということでありますけれども、そうしたことがなされたからといって一律に今申し上げた休業手当の支払義務がなくなるものではないということ、これは国会でもこれまでも申し上げてきたことです。 そもそも労働基準法に基づく休業手当の支払いの要件については、使用者の不可抗力によるものなのかということがポイントになります。その中に大きく2つあるんだろうと思います。 その原因が事業の外部より発生したものである、2点目として事業主が通常の経営者として最大限の注意を尽くしてもなお避けることができない事態、そしてそういった意味においては、例えば自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能かどうか、あるいは労働者に他に就かせることの業務が当該企業あるいは事業主にあるのかどうか、こういったことも含めて、総合的に判断をする必要があるということであります。 従って、宣言がなされ、個々の施設の使用自粛がなされたからといって、直ちに一律に休業手当を支払わなくても良いということにはならないということであります。 本件については、これまでのQ&Aでも基本的考え方はお示しをし、国会でも答弁したところでありますけれども、今般の非常事態宣言、またその中で施設の使用自粛等がなされていること等を想定して、Q&Aを直ちに作って皆さんにお示しをさせていただきたいという風に考えています。 また、そうした事業の休止などを余儀なくされた場合について、働く方を休業させるときにおいては、まず労使が話し合っていただき、そして労働者の不利益を回避し、こういう努力をぜひお願いをしたいという風に思います。また重ねて、私からも経済界の皆さんにもその点を含めてお願いをしたいという風に思います。

その一方 休業手当(平均賃金の6割の支給)を定めた労基法26条について、最高裁判例(ノース・ウエスト航空事件最高裁判決・昭和62年7月17日)はこのように判断している。 休業手当の制度は、右のとおり労働者の生活保障という観点から設けられたものではあるが、賃金の全額においてその保障をするものではなく、しかも、その支払義務の有無を使用者の帰責事由の存否にかからしめていることからみて、労働契約の一方当事者たる使用者の立場をも考慮すべきものとしていることは明らかである。そうすると、労働基準法二六条の「使用者の責に帰すべき事由」の解釈適用に当たっては、いかなる事由による休業の場合に労働者の生活保障のために使用者に前記の限度での負担を要求するのが社会的に正当とされるかという考量を必要とするといわなければならない。このようにみると、右の「使用者の責に帰すべき事由」とは、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点をも踏まえた概念というべきであって、民法五三六条二項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと解するのが相当である。

上記加藤厚労大臣が示した行政解釈とは要件も異なるが、三権分立の下、最終的な法令解釈の権限は最高裁にあり、厚生労働大臣に法解釈の最終的な権限はない。 と言うことになりますので、 この先では、個別のケースに応じて 多くの裁判が起こされると予想されます。実際裁判に持ち込まれ、最高裁まで行かないとわからないことになります。

Q 従業員から「風邪の症状があるが出勤する」と申し出があったが、会社が他の従業員への感染を懸念して出勤停止にした場合  新型コロナウイルスへの感染が確認されない限り、会社都合の出勤停止と判断されるため休業手当を支払う必要がある

A 風邪の症状があるけど出勤すると言われたとき それをもって、コロナかもでしょ?というのは無理があると思います。 通常は、本人から有給申請があるか、 欠勤かになるかとは思いますが。 いや、それでも熱があるけど出勤する!と言われたら、瑕疵のない労働力でなければ受領できないと拒否するか、※瑕疵のある労働力だと 会社の指定する医師の判断などを仰ぐ必要があると思いますから現実的ではありませんが。 もしくは、休業手当を払って休んでもらうことになりますね。 現実問題、休業手当60%より有給の方が100%なわけですから、強要はできないが、有給をうながす。言ったところでしょうか。

Q 従業員が新型コロナウイルスにかかった場合  新型コロナウイルスは指定感染症に指定されているので、従業員が感染した場合は強制入院・隔離措置の対象となり出勤停止になる。処遇については ○本人の申し出により有休を消化する。 ○会社の制度がある場合は特別休暇取得や休職扱いとする。  ○いずれも不可の場合は欠勤扱いとなる。  有休を除き休んだときの給料については、会社に休業手当の支払い義務はない。該当する特別休暇もしくは休職期間が無給扱いや欠勤扱いとなり休んだ日の給料が支給されない場合、要件を満たせば傷病手当金を申請することが可能。

A その通りです

Q 従業員の同居している家族等が新型コロナウイルスにかかった場合  従業員の家族が新型コロナウイルスに罹患、または感染の疑いがある場合、その家族と濃厚接触した従業員は、新型コロナウイルス感染の症状がなくても感染の疑いがある。その場合会社は感染拡大の防止のため、就業規則や自主的な判断により相応の期間、該当従業員に対して出勤停止とすることは可能。ただし休みの扱いについては、(2)の場合と同じく休業手当を支払う必要がある

A 労働者が感染者と近くで仕事をしていたため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要があるかどうかですが、 新型コロナウイルスに感染している者の近くにおり、濃厚接触者であることなどにより保健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。保健所による協力要請の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。