お客さまの声
もうかけがえのない存在です。
徳島県の過疎化 2050年には人口が33.2パーセント減少します。
「子供たちが戻ってこない。魅力的な働き口がない。都会にいってしまうことに親も手をたたいて喜んでいる」ことに、皆様はいかがお考えですか?
本日ご紹介するビッグアイカンパニーの田中社長はこのことに違和感を感じていたそうです。
その徳島のさらに過疎化の最先端をいく上勝町にかかわることになったのは、もともと食のお医者さん(食品衛生検査)を生業としている田中社長ご経営の株式会社スペックさんが上勝町で再生可能エネルギーの調査事業にかかわったことからスタートします。
調査事業は町からの委託費で活動できるが、業務が完了した後はどうなるのか?
このままでは持続可能性がないことに気づき、事業を立ち上げました。
がうまくいきませんでした。その時の教訓としては町の中だけで商売をやっていてはダメ。「やらなければならないことは、過疎の町に外から人を呼んでくることだ!!」と気が付いたのだそうです。
上勝町は街道沿いにない。ちょっと寄ろうかという場所にないだけに、わざわざ行ってみようかと思ってもらえる町にするには、どうしたらよいのか。
「話題になるような上勝のランドマークとなる場所が必要だ」とひらめきました。
上勝町で排出された廃材をつかったステンドグラスのようなファザードやビールの空き瓶などで作ったシャンデリアが「これ本当にごみだったの?」というくらい美しく輝いている建物に象徴される「RISE&WIN」を2015年に立ち上げ、アップサイクルの強いメッセージを町のシンボルにしたのです。そしてクラフトビールの製造販売を始めました。
「ゼロ・ウェイストを具体化するとこういうことですか?」という強いメッセージ性のある建物を設計してくれたのは、若手建築家の中で頭角を表していた「中村拓志氏」。この取り組みに共感して全面的に協力をしてくれました。
ところで、なぜクラフトビールなのでしょうか? これはアメリカオレゴン州ポートランドにその理由がありました。社長が「BEER VANA (ビール天国)」として、世界中からビールを求めて人が集まるこの町を訪れたのがきっかけでした。
街の中心市街地、ダウンタウンエリアにブルワリーが60件もあるのに、それぞれが特徴のあるクラフトビールを製造販売していてそれを巡ることがツーリズムとなっていたのです。
社長はひらめきました「これだ。これを上勝に持っていこう!!」
ポートランドの人たちはそれぞれにグラウラーというビールのマイボトルを持っていて飲みたいビールを量り売りで飲んでいる。このスタイルは環境と経済の両立が実現できる。
ゼロ・ウェイストを活用してビジネスを成功させる。田中社長のこの試みは大反響をよび、県内外から年間一万人を超える人たちがわざわざやって来たのです。
ようやく上勝町のひとたちも、社長の集客の取り組みや人を呼び込むビジネスに理解を示してくれるようになりました。
ところで上勝町ではごみ収集車がありません。ごみは町のゴミステーションに持ち込み、町民自ら45種類に分別し、再資源化しています。こんな素晴らしい取り組みでしたが、当時はあまり知られていませんでした。
当時のゴミステーションはプレハブ小屋を流用しており、段階的に分別数を増やしていった結果、スペースが足りない、ごみ捨てに来た町民が視察者の視線を気にするようになったりと、ごみ捨てに不便さを感じるようになっていました。
町民の負担軽減と来町者の満足をどうしたら両立できるのか? そろそろプレハブを卒業して建て替えが必要だという声が上がり始めていた頃、田中社長は、それを解決する施設の建築を提案しました。ところがここでも難題が。田舎あるある。「所詮よそものじゃないか!本当に信頼できるのか?わけのわからないハコモノだけ立てて変なことをしようとしているのではないか・・」と、不安を感じる声もあったそうです。
話は戻りますが、RISE&WINの大成功により、ようやくボランティアでもないNPOでもない、民間事業者として上勝町のゼロ・ウェイストセンターの指定管理をする株式会社BIG EYE COMPANYを設立されました。
建物全体を上空から見ると「?」という文字にも見える上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHYが2020年にオープン。世界中からいろいろな企業や団体が自社のサステナビリティを実現するために見学や視察にやってきます。視察と宿泊ができ、自分で出したごみを45分別する体験もできるそう。滞在時に使う石鹸やコーヒーも必要な分だけ量り分け。
また施設内に併設された「くるくるショップ」には古着や古い食器なども展示されていて、気に入ったもののグラム数をノートに記載して持ち帰ることができます。BIG EYE COMPANYは、上勝町が推進しているゼロ・ウェイストの発信と、内外とを繋ぐハブとしての役割を担っているのですね。
世界中にあるごみ焼却施設の約半分が日本にあります。
日本のごみリサイクル率は約20%です。つまりほぼ8割のごみは焼却処分されています。日本の国土が狭いことを理由に挙げていますが、国土面積が日本の4分の1しかない韓国のリサイクル率は60%ですから、その言い訳は成り立たないと国際的にも避難されています。
因みに、上勝町のリサイクル率は約80%。しかし裏を返すと20%もの再資源化できない”ごみ”が残っています。強力に接着されているなど、分別しづらい構造になっている製品や、ホッカイロや乾燥剤などそもそも分別できない素材で作られているもの等です。最近では使い捨てマスク等汚染されている物も大量に焼却処分されています。
「なぜ作るのか? なぜ売るのか?」「なぜ買うのか? なぜ捨てるのか?」私たちはこの大きな「問い」を持って、小さな町の取り組みを世界に発信し続けています。
児玉事務所に仕事を依頼していかがでしたか?
株式会社スペックが児玉事務所と契約してから、もう21年です。おつきあいが長すぎて、どう伝えたらよいのか、エピソードがたくさんありすぎて(笑)とにかく本当に助かっております。
労使関係で悩んだ時も経営者に寄り添って親身になって考えてくださり、もうかけがえのない存在です。
娘がうまれた15年前お祝いをもって駆け付けてくださった田中社長の思い出のフォトと今回、田中社長・娘・私のスリーショットを撮影させていただきました。21年の長きにわたりビジネスパートナーとしてかかわらせていただき感謝します。(令和6年2月/取材:児玉けい子)
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